研究課題
本年度は、1.三細胞間タイト結合分子トリセルリンの発現調節と、2.ヒト正常膵管上皮細胞のタイト結合調節機構を中心に行った。1. 3種類の異なるタイプの上皮細胞(気道上皮細胞株、腸管細胞株、膵管上皮細胞株)を用いて、様々な細胞反応に共通にみられるストレス応答シグナルであるJNKの活性化に焦点を絞り、tricellulinの発現およびそのバリア機能調節機構を解析した。Anisomycin処置においては、4時間でバリア機能の亢進とともに、tricellulinの発現増加がみられ、tricellulinの変化は、JNKおよびPKCのinhibitorで、バリア機能の亢進は、tricellulinのsiRNAの前処置により抑制された。上皮細胞の三細胞のタイト結合は、主にストレス応答シグナルであるJNKによって、tricellulin蛋白を介して制御されていることを示している。2. これまでに17症例の膵組織から培養系の確立に成功した。確立されたhTERT-PDE cellは無血清培地で増殖し、不死化はしておらず最大で4継代可能であった。免疫染色にて細胞質にCK7、CK19の明瞭な発現認め、CK-7、CK-19、CA-IIのmRNA発現を認めた。血清処置によりCL-4の細胞間境界への明瞭な局在を認めた。CL-4 mRNAはコントロールに比べ血清処置により107.1倍と著明に増加した。シグナル伝達経路同定のため種々の阻害剤を用いて検討した結果、pan PKC阻害剤が血清処置によるCL-4発現増加を部分的に抑制した。PKCシグナル伝達経路の重要性をさらに検討するため、PKC activatorであるTPAを処置したところ、CL-4は1nMから発現増加を認め、その発現増加はpan PKC阻害剤で完全に抑制された。
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