研究課題/領域番号 |
19390108
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
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研究分担者 |
古川 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00372293)
能勢 眞人 愛媛大学, 医学部, 教授 (70030913)
遠藤 康男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50005039)
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キーワード | 血小板 / 炎症 / 自己免疫病 / 動物実験 |
研究概要 |
平成19年度は、即時型アレルギー反応に及ぼす血小板の影響について、当年度計画に基づき、以下の点を明らかにした。 1.IgEと抗原(TNP-OVA)を用いてマウス個体に誘導されるpassive systemic anaphylaxis(PSA)反応において、血小板が重要な役割を果たしていることを多角的に検証した。 1-(1)マウスより抗CD41抗体を静脈投与し、全身の血小板を除去した条件においては、PSAが著しく増強して発症することを示した。 1-(2)Cno変異マウスに見られるPSA回復障害は、野生型マウスから採取した血小板を同変異マウスに移植することにより、正常化することを示した。 2.このような血小板作用を発揮する上で、血小板はどのようにアレルギー・シグナルを受容しているかを調べた。 2-(1)IgEのFc受容体の機能サブユニットを欠損したFcRγ-/-マウスから採取した血小板を用いて、1-(2)と同様の実験を行った。その結果、同マウスの血小板は野生型マウスの血小板と同様に機能することが分かった。 3.IgE投与により、末梢血小板数は50%に減少することが明らかとなった。 4.関節炎、腎炎に関する実験は、現在、進行中である。 5.以上より、血小板は即時型アレルギー反応の回復に促進的に働いていることが分かった。即時型アナフィラキシーの実験の達成度は90%、関節炎モデルの実験の達成度は50%、腎炎モデルの実験の達成度は10%である。
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