研究課題
平成20年度は、即時型アレルギー皮膚反応、様々なショック反応、自己免疫性肝炎モデル病態における血小板の役割について、以下の点を明らかにした。1. IgE依存性即時型アレルギー皮膚反応に対しては、血小板の果たす機能が明らかではなかった。この結果は、IgE依存性の全身反応に対して得られた結果とは一致しなかった。即時型アレルギー反応でも、全身反応と局所反応では血小板の果たす役割が異なることが示唆される。2. ConAによる自己免疫性肝炎モデルにおける血小板の役割 : ConA誘導急性肝障害の重症度を、血小板機能不全を呈するカプチーノマウスと野生型マウスにおいて比較検討した。その結果、有意な差異は検出されなかった。3. LPSショックにおける血小板の役割 : カプチーノマウスはLPSショックに対して、有意に抵抗性であることが示された。詳細なメカニズムについては、現在検討中である。4. アドレナリンによるショックにおける血小板の役割 : カプチーノマウスでは, このショックに強度に抵抗性であることが示された。以上より、血小板は全身性ショック反応に対しては、何らかの調節機能を発揮していることが示された。すなわち、血小板はIgE依存性ショックに対しては抑制的に、エンドトキシンやカテコラミンなどに対するショック様反応に対しては促進的に働いていることが示された。今後は、血小板由来の何が全身ショック反応を制御しているのかを明らかにし、新規ショック治療の展開に臨む。即時型アナフィラキシーなどのショック実験の達成度は90%、関節炎モデルの実験の達成度は50%、腎炎モデルの実験の達成度は20%である。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件)
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