研究課題/領域番号 |
19390129
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高田 賢蔵 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)
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研究分担者 |
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10307853)
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キーワード | EBウイルス / EBER / 自然免疫 / TLR-3 / 伝染性単核症 / 慢性活動性EBV感染症 / EBV関連血球貧食症候群 |
研究概要 |
伝染性単核症、慢性活動性EBウイルス(EBV)感染症(CAEBV)、EBV関連血球貪食症候群(EBV-HLH)などの活動性のEBV感染症ではTNF-α、IL-6、IFN-γなどの炎症性サイトカインが大量に分泌され、サイトカインストームの状態を呈し、それが病態形成の主役を担っていると考えられる。我々は、EBVがコードする小RNA EBERがLaとの複合体の形で細胞外へ放出され、toll-like receptor 3(TLR-3)により二本鎖RNAとして検知され、インターフェロンや炎症性サイトカインの発現を誘導することを見出した。また、急性EBV感染症患者の血清中にTLR-3の活性化を誘導するに十分量のEBERが存在することも明らかにした。これらの知見は、何故EBVの急性感染症でサイトカインストームが引き起こされるのかを説明できる可能性がある。 本年度の研究では、EBERが樹状細胞の活性化を起こすか否かの検討を行った。ヒト末梢血より樹状細胞を分離し、in vitroで合成したEBERを培地中に加え、各種炎症性サイトカインの誘導をRT-PCR法、EUSA法により調べた。その結果、EBERが樹状細胞の活性化を引き起こすことが確認された。さらに、in vivoでのEBERの活性を調べるために、EBERトランスジェニックマウスを作製した。U6プロモーターに連結したEBER遺伝子を組み込んだマウスでEBERが発現することをin situ Hybridization法で確認した。今後、EBERトランスジェニックマウスでTLR3の活性化、炎症性サイトカインの誘導が起こるか否かを検討する予定である。
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