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2008 年度 実績報告書

人工リンパ節を用いた免疫記憶細胞の解析と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19390142
研究機関京都大学

研究代表者

渡邊 武  京都大学, 医学研究科, 研究員 (40028684)

研究分担者 小林 由佳  理化学研究所, 特別研究員 (00433590)
キーワード人工免疫組織 / リンパ節 / 記憶T細胞 / 記憶B細胞 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / 重症感染症の治療 / 腫瘍免疫 / 再生医学
研究概要

我々は免疫反応誘導活性を持つ免疫組織を人工的に作成することを試み、抗原特異的に正常リンパ節では到達し得ないほどの強い二次免疫反応を誘導できる人工リンパ節の構築に成功した。このような高効率の免疫機能をもった人工リンパ節の構築は世界で初めてである。その高効率の免疫誘導機能の機構を解析したところ、抗原特異的記憶T細胞、および抗原特異的記憶B細胞が人工リンパ節内に濃縮されるという結果が得られた。このことは、人工リンパ節において強い二次免疫反応が急速に引き起こされる理由の一つと考えられた。さらに、人工リンパ節内に高度に集積されてくるCD4+CD44hiCD62LloヘルパーT細胞集団をセルソーターにて分離精製して、(1)マイクロアレイ法による遺伝子発現パターンの解析、(2)FACSによる表面マーカー(ICOS, OX40, CXCR5など)の解析、(3)抗TCR抗体刺激後のサイトカイン産生パターンの解析を行った。その結果、人工リンパ節内に、エフェクター型メモリーT細胞のみならず濾胞性ヘルパーT細胞(Follicular helper T cells)が高度に濃縮されてくることが明確となった。さらに抗原特異的記憶B細胞も高度に濃縮されてくることがわかった。我々の作製した人工リンパ節では、その詳細な機構はまだ不明であるが、抗原特異的な免疫記憶T細胞、記憶B細胞が効率よく濃縮されてくることがわかった。理由の一つとして、我々が用いているストローマ細胞の特性にあると考えている。現在、人工リンパ節に集積するメモリー細胞の機能、発現分子の解析を行い、免疫記憶細胞の本態を明らかにするとともに、より効率よくメモリーTおよびB細胞が濃縮される人工リンパ節の構築を計画している。このような組織を生体に移植することにより、速やかに抗原特異的に二次免疫反応を誘導して病原体を排除出来ることが期待され、今後はヒトに応用出来る人工リンパ節の構築を目指す

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of histamine-mediated signaling confers significant protection against severe malaria in mouse model of disease.2008

    • 著者名/発表者名
      W. Beghdadi, A. Porcherie, D. Dubayle, R. Peronet, M. Huerre, T. Watanabe, H. Ohtsu
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine 205

      ページ: 395-408

    • 査読あり
  • [学会発表] Generation of transplantable lymph node-like tissues and induction of immune responses2008

    • 著者名/発表者名
      渡邊武
    • 学会等名
      第38回に本免疫学会(シンポジウム)
    • 発表場所
      国立京都国際会館、京都
    • 年月日
      2008-12-03
  • [産業財産権] 人工リンパ節を用いた効率, 的な抗原特異的ハイブリドーマの作成法2008

    • 発明者名
      渡邊武
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 産業財産権番号
      特願2006-331114 PCT/JP2006/325137
    • 出願年月日
      2008-07-12
    • 外国

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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