研究概要 |
平成19年度は,研究計画に従い下記の作業を行った。 1.国内外におけるWiki活用事例の調査 欧米におけるWiki活用を調査するために,International Epidemiological Association,NATIONAL Library of Medicineを初めとして欧米でWikiやRSSを利用して医療者向けあるいは医療消費者向けへの知識,情報提供を行っている組織を訪問し,(1)運用体制,(2)運用実績と評価の結果,(3)現状の課1題,などを調査した。その結果,さらに,医療分野以外でWikiを活用している事例,あるいはインターネット上で医療消費者に向け,WikiやRSSを活用している事例を検索し,その運用状況や内容の信頼性,妥当性などを評価した。 その結果,各新聞社などRSSを利用して情報発信しているところは,多いが医療及び健康情報をトピックとした発信は限られていた。また,内容の信頼性,妥当性という視点からも,疑問の多い情報提供も少なくなかった。この傾向は欧米でも同様であるが,Wikiそのものの利用に関していえば,WikipediaやWikiBookなどのコンテンツを初め,日本の数十倍のコンテンツがあるように感じられた。 2.Wikiシステムのインストールと試験運用 PukiWiki,PHP,MySQLを試験サーバにインストールして,試験的なコンテンツの作成を行った。Pukiwikiのデフォルトのままでは,フォントのコードやログ機能など不十分な点が多いことも判明し,この点は平成20年度以降に,教科書としての運用に見合った改造が可能かどうかを調査する必要が認められた。さらに,Wiki特有の文法などを含め,Wikiに慣れていないユーザにどのように使ってもらうかを考えることも平成20年度の課題と考えられた。
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