わが国におけるNST稼動施設数は、日本静脈経腸栄養学会のNSTプロジェクトによる2009年1月末までの集計では、同プロジェクト参加施設1519中1485施設であり、本プロジェクトに参加していない施設を含めると1500を超える施設でNSTが稼働していると考えられる。本研究では対象となる施設の活動状況や質の保証を考慮して平成19年度当初における第三者機関日本栄養療法推進協議会の第1回、第2回のNST稼働施設認定を取得した計842施設(第1回;653移設、第2回:189施設)に対して協力を要請した。そのうち、各施設の倫理委員会や管理者を通して協力の同意が得られた512施設を対象とし、1)NSTの稼動体制(運営システム、稼動基準、施設内稼動体制、組織図、稼動開始目など)、2)NSTのチーム構成、3)NST対象症例の抽出法(入院時スクリーニング)、4)抽出症例の栄養評価法(二次スクリーニング)、5)栄養管理法の選択基準、6)栄養管理プランニング法、7)栄養管理実施方法、8)栄養状態・栄養管理法の再評価法、9)栄養管理の再プランニング法、10)栄養管理に関する医療安全管理体制、11)栄養管理に伴う合併症の評価法、12)退院時の栄養評価と当該栄養管理法の評価方法、13)患者栄養指導方法と実施時期、14)NST活動に要する労働時間、15)NST活動のoutcome評価法などを調査し、さらに各項目における対象患者数や活動状況、活動効果などをoutcomeとして経時的に集計を行い、webによるデータベースへの入力を実施して、わが国におけるNSTの活動状況とその効果をprospectiveに検討する。現在、データベースへの資料集積は順調に進んでおり、平成21年度には検索項目のうち、重要項目から解析を開始する。また、同時にデータ集積は継続して実施する。
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