研究課題
1) セロフェンド酸の作用スペクトルの解析セロフェンド酸が神経保護作用を発現する際に重要な直接のターゲット分子について検討を行った。培養大脳皮質細胞、心筋細胞のホモジネートを用いてセロフェンド酸に特異的に結合するタンパクをプルダウン法にて検討したところ、複数のタンパクがセロフェンド酸結合タンパクの候補として見出された。またin vivoにおけるラット中大脳動脈閉塞モデルを用いた検討において、セロフェンド酸は尾静脈からの末梢投与においても虚血障害に対して保護的に働くことが明らかとなった。2) ニコチン性アセチルコリンの神経保護メカニズムの解析神経型ニコチン性アセチルコリン受容体がグリア細胞にも発現していることが近年報告されている。グリア細胞における長期間刺激による受容体の機能変化を解析するために、アストロサイトにおける神経型ニコチン受容体(nAChR)の発現調節機構について検討した。培養アストロサイトを用いた検討において、ニコチンを48時間処置することによりα7-nAChRの発現量が増加する傾向がみられた。培養アストロサイトにおけるα7-nAChRの発現調節機構を検討する目的で、培養ニューロン、アストロサイトに発現するα7-nAChRを検討したところ、両培養系においてほぼ全ての細胞においてα7-nAChRの発現していた。一方、培養ニューロンと共存するアストロサイトにおいてはα7-nAChRの発現は見られなかった。ニューロンとアストロサイトが接触する条件においては、アストロサイトのα7-nAChRの発現が観察されないが、接触がない条件においては、α7-nAChRの発現抑制は観察されなかった。以上の結果により、グリア細胞の1つであるアストロサイトにおけるα7-nAChRの発現は、ニューロンとの接触により抑制的な制御を受けることが示唆された。
すべて 2008
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