研究課題/領域番号 |
19390156
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70250917)
|
研究分担者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
内村 友則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20363616)
川原 幸一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10381170)
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70237577)
|
キーワード | peptidome / proteome / peptide / biomarker / inflammation / cancer / diagnosis |
研究概要 |
生体内には正常(全長)のタンパク質やペプチド以外に数多くの崩壊ペプチド断片の存在することが知られるようになった(peptidome)。生体内のプロテアーゼの作用により一つの親タンパク質から複数の断片が産生されうる。peptidomeは血液・体液を構成する分子グループの新規概念である。健常人の血中においてもおびただしい崩壊ペプチド断片が観察され、またその出現パターンは個人によって異なる。このpeptidomeが病態に応じて特徴的な出現パターンを示すこと(特願2006-169359、特願2008-000776)より病態の早期予知診断に役立てることを目的としている。平成20年度は食道癌、膵癌、大腸癌、および慢性炎症性疾患の血清の解析を終了し、感度・特異度の高いバイオマーカー候補ペプチドを抽出した(特許出願準備中)更に、(1)対象疾患の病態とバイオマーカー候補ペプチドとの関連(ペプチド生成機序、ペプチドの生理活性等)について検討した結果、培養細胞を酵素処理して得られるペプチドフラグメントと生体内組織液中に存在する同一のペプチドフラグメントを同定することに成功した。(2)慢性炎症性疾患のバイオマーカー候補ペプチドに生理活性を認める可能性のあるデータを得ることができた。(3)バイオマーカー候補ペプチドの疾患の診断時および治療経過における変化の検討について進行中である。(4)バイオマーカー候補ペプチドが炎症による非特異的産物である可能性の有無についての結論は本年度に得ることはできなかったが、これらの候補ペプチドは健常者の血中には存在しないことを確認した。(5)バイオマーカー候補ペプチドの癌組織中での存在の確認については検討中である。(6)慢性炎症性疾患においてバイオマーカー候補ペプチドの抗体の作成と免疫組織学的解析を施行し組織での存在を確認した。
|