研究課題
ヒト腫瘍部位の組織もしくは樹立癌細胞株から取得したタンパク質混合物をそのままマウスに免疫し、取り出した脾細胞に対して常法に従い細胞融合し、限界希釈法を経てモノクローナル抗体を獲得する(ランダム免疫法)。我々の最終目的は低侵襲性で患者への負担の少ない体液(血液、尿)を対象とした癌診断法の確立である。本研究はこの方法を用いて膀胱癌を診断するシステムの構築を目指す。本年度は主に以下の3点を行った。(1)膀胱癌関連抗体の作製:膀胱癌細胞株をマウスに免疫し、それら細胞株と反応するモノクローナル抗体を計312種類獲得し、その全てを免疫プロット法が可能か否か検討した。その結果、81抗体で明らかなバンドが確認された。そのうち、ホルマリン固定された膀胱癌細胞株4種類のどれらと反応する抗体が57個見出された。膀胱癌組織に特異性の高い抗体を現在まで2種類獲得できた。(2)抗原同定法の確立:膀胱癌患者血清と健常者血清を見分ける有用抗体については抗原を同定する必要がある。昨年までは培養細胞中に微量しか存在しない抗原の同定は非常に困難であった。そこで、培養細胞から抽出したタンパク質混合物を切れ味良く分画し(40分画)、個々の抗原を濃縮する方法を確立した。また、国立がんセンター研究所で行われている免疫沈降法の手法を取り入れた。抗原は既に6種類を同定し、さらに進行中である。(3)泌尿器系疾患患者検体の収集システム構築:北里大学医学部泌尿器科との共同で倫理委員会の承認ならびに患者からのインフォームドコンセントのもとに、膀胱癌患者、腎癌患者の癌摘出手術前後の血清ならびに尿の系統的な採取システムを確立した。膀胱癌患者血清ならびに膀胱癌患者尿、それぞれ約80検体、膀胱癌組織約100検体を収集した。
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