研究課題/領域番号 |
19390164
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 昭代 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10136484)
|
研究分担者 |
清原 裕 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80161602)
平田 美由紀 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (30156674)
白谷 正治 九州大学, 大学院・システム情報研究院, 教授 (90206293)
古閑 一憲 九州大学, 大学院・システム情報研究院, 助教 (90315127)
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
|
キーワード | 衛生 / 環境 / 社会医学 / インジウム / 間質性肺炎 |
研究概要 |
今年度はITO、酸化インジウム(In_2O_3)、水酸化インジウム(In(OH)_3)をラットの気管内に2週間にわたって反復投与し、投与終了後12週間後までの各インジウム化合物の肺への影響について評価した。 【実験方法】被験粒子にはITO、In_2O_3、In(OH)_3を用いた。1回投与量は10mg In/kgである。各インジウム化合物は、ラットの気管内に週2回、計5回、2週間にわたって反復投与した。各群最終投与日の翌日(0週)、1週、2週、3週、4週(水酸化インジウム群のみ)、12週目(水酸化インジウム群を除く3群)に肺障害の進展について検討した。 【結果および考察】体重の推移に関し、In(OH)_3群では投与期間中から観察期間中体重増加が著しく抑制され、ITO群、In_2O_3群および対照群に比べて有意に減少した。In(OH)_3群では重度の衰弱のため、観察は4週間で終了した。各時点の各インジウム投与群で対照群と比べて有意に増加した。各時点のITO群およびIn_2O_3群の相対肺重量は、対照群の約2倍で推移した。一方、In(OH)_3群では、ITO群およびIn_2O_3群に比べて有意に増加し、経時的に増加していた。肺の病理学的評価では、各ITO群、In_2O_3群、In(OH)_3群で肺の炎症性変化を主体とする病変が観察され、特に、In(OH)_3群では肺病変の程度がITO群およびIn_2O_3群に比べて重度であった。以上の結果から、水酸化インジウム粒子の反復経気道投与によって、ITO粒子やIn_2O_3粒子に比べて肺障害は顕著に発現した。ITOやIn_2O_3粒子だけでなく、水酸化インジウム粒子の投与によっても肺障害が引き起こされることが明らかになった。
|