研究課題/領域番号 |
19390171
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
栗山 進一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90361071)
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研究分担者 |
加我 牧子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 所長 (20142250)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10205221)
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キーワード | 脳神経疾患 / 自閉症 / ビタミンB6 / IQ / ランダム化比較試験 |
研究概要 |
自閉症と診断されるこどもたちのうち、ビタミンB6反応性を予測する徴候・バイオマーカーを明らかにし、より精度の高いビタミンB6反応性予測因子を解明するため、宮城県の「かくたこども&アレルギークリニック」、「宮城県立精神医療センター」、東京都の「国立精神・神経センター病院」、「NTT東日本関東病院」、「フジモト新宿クリニック」、「表参道クリニック」、「心身障害児総合医療療育センター」、大阪府の「安原こどもクリニック」との研究協力体制を構築し、必要な倫理審査を受け、研究プロトコールの承認を得た。適格基準を満たした5名の患者およびその親権者から研究参加の同意を得、患者は体重あたりビタミンB6 5mgを2週間、10mgを2週間、計4週間服用した。患者の平均年齢は8.4歳で、男が4名、女が1名であった。Clinical Global ImpressionのGlobal Improvementの評価では、「非常に改善された」が1名、「かなり改善された〜わずかに改善された」が2名、「変化なし」が2名であった。改善のみられた3名と変化なしとされた2名を比較すると、広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度、異常行動チェックリスト、S-M社会生活能力検査などの神経学的検査の各得点に大きな違いはみられず、血中セロトニン値、血中ドーパミン値にも大きな違いはみられなかった。一方、血中アドレナリン値(基準値100pg/mL以下:A値)、血中ノルアドレナリン値(基準値100-450pg/mL:N値)には大きな違いがみられた。変化なしとされた2名のA値、N値の平均はそれぞれ、36、310であり、改善のみられた3名のそれはそれぞれ、71、428で、A値、N値とビタミンB6反応性との関連が示唆された。
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