研究概要 |
全国の栄養士を対象にして、妥当性・信頼性の高い生活習慣・食生活情報に基づき、その後の生活習慣病の罹患・死亡リスクに関するコホート研究を行ない、健康事象のリスク・予防要因を明らかにして、国民の疾病予防・健康増進、健康づくりに資する。 1999年から2000年に全国2府24県の栄養士会会員合計7,981名および愛知県6栄養士養成施設同窓会および1協議会所属栄養士合計3,649名、総計11,630名からなるコホート(JADE Study)を構築し、生活習慣調査票(LSQ)および半定量食物摂取頻度調査票(SQFFQ)を実施した。対象者からレスポンスがあったSQFFQによる栄養素摂取量情報の電子化の作業を行った(徳留、笠岡)。 2007年にコホート構成者を対象にして、簡易LSQと簡易FFQを用いて中間調査を実施し、ベースライン調査以降の体格、現病歴、生活習慣、食生活などの変化を調べた。この調査への回答に基づき、生存5,695名、死亡16名(男性6名、女性10名)を把握し、死亡者の死因を調査した。 2003年(フォローアップ中央年)の全国年齢階級別死亡率を用いて標準化死亡比(SMR)を計算したところ、全死因およびがん死亡のSMRは男女とも1未満(p<0.01)であった。これは栄養士が健康職業集団であることを示唆するものであるが、食生活との関連を検討するには、パワー(死亡数)が十分ではなかった。 今後、国立健康・栄養研究所の基盤的研究と位置づけ、日本栄養士会と共有するデータアーカイブとし、研究対象の栄養士数を増やし、フォローアップシステムを確立し、本研究を継続する。
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