研究課題/領域番号 |
19390178
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 能行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00191809)
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研究分担者 |
中川 正法 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (50198040)
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (30264782)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80315960)
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (20315964)
栗山 長門 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60405264)
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キーワード | 軽度認知機能障害 / 脳MRI / 大脳白質病変 / 動脈硬化症 / 脳虚血 |
研究概要 |
平成14年度に開始し、平成20年度末までに前向きに追跡調査が出来た計280名の検診検査を終了し、データの入力を完了しつつある。そのうち、平成20年3月までの検診受診者142人(61.5歳、男84名、女58名)のデータ解析により、認知機能の経時変化の特徴、脳虚血・白質病変の発症および進行に関与する危険因子、遺伝子多型との関連について得られた結果は、以下のとおりである。(1)認知機能検査では、Mini-Mental state examination(MMSE)参加者平均得点は、28.1点であり、30点満点と26点の2つの分布のピークを認めた。語想起検査では、`動物'17.2個、`野菜'14.5個であり、野菜の語想起数については男性の点数が低い傾向を認めた。(2)上記5年間の前向き追跡調査にて、頭部MRIで脳虚血白質病変の経時変化(増悪)を認めた<脳虚血・白質病変進行あり群>は、142名中10名(男8名、女2名)であった。内訳は、白質病変増悪6名、新たな脳梗塞出現4名(2名は心原性塞栓)であった。(3)大脳白質病変および高血圧症合併が、MMSEと語想起個数の結果に有意な低下を認め、認知機能悪化の危険因子と考えられた。(4)<脳虚血・白質病変進行あり群>と有意な関連を認めた検診項目は、収縮期高血圧あり(Odds比;OR1.82)、脈波伝播速度(PWV)高値(OR1.23)、Periventricular hyperitensity(脳室周囲高信号:PVH)あり(OR1.14)であった。 現在、残り138名のデータを統合して、280名での解析を継続中である。最終的には、軽度認知機能障害の早期発見および進行予防、脳内動脈硬化進展の早期予防に関する臨床疫学的危険因子を見出すことを目標としており、解析が出来次第発表予定である。
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