法医解剖に伴う薬毒物分析において、トライエージなどの簡易なスクリーニング検査に引き続いて行われるべき確認検査や定量分析は、不十分な分析設備と専門家の不足により一部の法医学教室でしか行えず、薬物の分析レベルは施設によって大きな隔たりがあるのが現状である. 本研究では、 (1)乱用薬物と睡眠薬に特化した精度の高いスクリーニング法を完成させ、研究協力機関を募って全国規模のフィールドスタディを行うことで、わが国の法医解剖における薬物鑑定の現状とニーズを把握する。 (2)さらにわが国と同様の解剖体制をとっているフィンランドのすぐれた分析システムを調査する。 (3)実務的な側面からわが国に最も適した薬物分析システムを構築する。
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