本研究は、脳内異物の病態解析に関する基礎的研究であり、モデル動物を用いて脳内異物に対する脳組織の反応を経時的に解析する。 1.脳内異物モデル動物の作成と脳内異物に対する細胞反応の解析 1)ウィスター系ラット20匹を全身麻酔し、小動物用脳定位固定装置を用いて鉛球を右大脳半球中央部に留置した。 2)鉛球の留置から1週間、2週間、3週間または4週間の後にラットを全身麻酔して還流固定を行った。 3)固定脳の組織切片について鉛球周囲の脳組織における神経細胞、星状膠細胞、小膠細胞、マクロファージの経時的変動を調べた。 4)異物に対する脳組織の経時的な反応が明らかとなった。 2.脳内異物による脳組織内の鉛の定量 1)同様にラットの脳に鉛球を留置し、1週間、2週間、3週間または4週間の後にラットを全身麻酔して還流を行った。 2)原子吸光光度計を用いて未固定の脳組織中の鉛濃度を定量した。 3)脳組織中の鉛濃度の鉛球からの距離と経時的な変化が明らかとなった。
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