研究概要 |
1.動物実験:人工菌叢マウスでの行動解析 本年度は、無菌マウスおよび通常のSPF環境下で飼育されたSPFマウスを用い、腸内細菌叢の有無により成長後の行動に違いが生じるかについて、行動解析装置を用いて基礎データを得た。これらの結果は腸内細菌叢が成長後の情動行動へ関与しうる可能性を示唆するものであり、興味深い。次年度は人工菌叢マウスを用いて同様の行動解析を行う予定である。 2.臨床研究:ヒト新生児おける腸内細菌叢形成 本年度は昨年度にエントリーが終了した108名の母-児の糞便中ビフィズス菌種についてPCRを用いて検討した。その結果、母親の糞便中にBifidobacterium breveまたはBifidobacterium infantisが定着している場合、児のビフィズス菌総数の増加およびビフィズス菌種の多様性に富んでいることが明らかとなった(Pediatric Research,in press)。今後は他の菌種について包括的な検討を進めていく予定である。
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