研究概要 |
ヒト膵癌細胞株(n=4~6)、膵臓癌の手術例における膵臓癌組織および正常組織におけるKRAP遺伝子発現を定量的リアルタイムPCR法でヒト定量をした。 Primerはpair A,5'-TGCAAAAGCTGGCTATCCTCTA-3' 5'-CAGAGGACACAACCCCTTACTGG-3' Pair B,5'-AGGGGCTACTTGTAGTGCCTTC-3' 5'-GGAGGATTCACAGAGCACACTC-3' KRAP測定値およびサンプル間補正にはβ-アクチンを用いた。その結果、この3群間でKRAP遺伝子発現には差がみられなかった。以上の結果はKRAP遺伝子は癌化そのものには関与していないと解釈された。ki-ras遺伝子のcodon13変異のあるCell line (colon cancer由来)で、KRAPタンパクが同時に増加していることが報告されていることから(Shirasawa et al.Science 1993, Inokuchi et al.J Hum Genet 2004)、膵癌細胞及び組織でのki-ras遺伝子のシーケンスを行い、codon13変異の確認を行った。プライマーの設計は、イントロンを含む領域を増幅するよう設計したものと、cDNA用の2種類のプライマーを用いた。 PrimerはF-15'-CGTCTGCAGTCAACTGGAATTT-3' R-2 5'-TGGTCCTGCACCAGTAATATGC-3' cDNA primerF 5'-ATTTCGGACTGGGAGCGAG-3' cDNA primerR 5'-CTCTTGACCTGCTGTGTCG-3' しかし、すでに10例ほどの膵臓癌組織をもちいて解析をしたが、codon13変異の存在はみつからなかった。
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