研究概要 |
ヒトのがん組織(膵臓癌、胆道系のがん)組織における、Kras codon12, 13の変異の有無を検討した。膵癌細胞及び組織でのki-ras遺伝子のシーケンスを行い、codon13変異の確認を行った。プライマーの設計は、イントロンを含む領域を増幅するよう設計したものと、cDNA用の2種類のプライマーを用いた(以下に示した)。 PrimerはF-15'-CGTCTGCAGTCAACTGGAATTT-3' R-2 5'-TGGTCCTGCACCAGTAATATGC-3' cDNA primerF 5'-ATTTCGGACTGGGAGCGAG-3' cDNA primerR 5'-CTCTTGACCTGCTGTGTCG-3' 結果は、これらのがん組織において、Kras codon12の変異は高頻度に観察されたが,codon13の変異は全く見られなかった。KRAPタンパクの増加は、特殊な大腸癌由来のcell lineで認められている(Shirasawa et al. Science 1993)ことから、大腸癌組織におけるcodon13の変異の有無も解析したが、変異は発見できなかった。 同時に遺伝子発現量の測定を以下のプライマーを用いた定量的リアルタイムPCR法で行った。 Primerはpair A, 5'-TGCAAAAGCTGGCTATCCTCTA-3' 5'-CAGAGGACACAACCCCTTACTGG-3' Pair B, 5'-AGGGGCTACTTGTAGTGCCTTC-3' 5'-GGAGGATTCACAGAGCACACTC-3' KRAP測定値おサンプル間補正にはβ-アクチン、およびGAPDHの値を用いた。結果は、有意の変化が認められなかった。
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