研究課題/領域番号 |
19390204
|
研究機関 | 国立病院医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
土肥 多惠子 国立国際医療センター(研究所), 消化器研究部, 部長 (60250221)
|
研究分担者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
西河 淳 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教授 (30218127)
河村 由紀 国立国際医療センター(研究所), 消化器研究部, 協力研究員 (10392391)
|
キーワード | IL-13 / IL-4 / 消化管上皮細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、消化管組織の修復・再生に際して放出されるTヘルパー2型サイトカインが、上皮細胞及び間質細胞の機能を調節するメカニズムを明らかにし、消化管疾患の診断・治療に役立てることである。 1.IL-13による組織傷害のターゲット細胞の同定:野生型およびIL-4R^-/-マウス小腸より、EDTAを用いて絨毛・陰窩の形態を保ったまま上皮細胞のみを分離し、これを一次培養してIL-13を培養液申に加えたときの細胞傷害を、アドヘランス蛋白及びタイトジャンクション蛋白の染色を指標に解析した。その結果、上皮細胞のみの系においても、IL-13の細胞傷害が認められたが、組織全体にIL-13を作用させたときに比べその作用は弱かった。また、ヒト大腸上皮細胞株にIL-13を作用させると、一次培養組織と同様にβカテニン膜染色性が弱くなった。従って、IL-13は直接に上皮に作用して細胞傷害をもたらすが、間質細胞の存在による相加作用が示唆された。 2.IL-13作用解析のための間質細胞株の準備:IL-4R^-/-マウス小腸よりEDTA/collagenaseにより線維芽細胞を分離し、細胞株として樹立した。 3.リコンビナント(r)IL-13の作成とその固層化:未知の受容体を同定するためにはこれまでに同定されていないIL-13結合蛋白を、IL-4受容体非依存性のIL-13作用であるβカテニンの分布異常と上皮間結合の破壊を指標にして、消化管上皮から探索するための蛋白作成を行う。His-Tagを融合したマウスIL-13 cDNAを大腸菌に発現させ、マウスrecombinant IL-13-Hisを作製した。抗正His抗体固相化ビーズによりIL-13の固相化を行った。
|