研究課題
難治性の気道疾患という観点からCOPDと気管支喘息の克服をめざした以下の4項目の研究を行う。・COPD、気管支喘息患者の気道上皮における酸化還元関連物質、関連遺伝子の発現:COPD患者の細気管支上皮、マクロファージを検体として、転写因子Nrf2の発現を定量し、その標的抗酸化遺伝子発現低下との関連を検討した。非喫煙者、COPDのない喫煙者に比較し、COPD患者において、Nrf2遺伝子発現、HO-1等の抗酸化遺伝子の発現低下が認められた。・COPD、気管支喘息患者の喀痰中酸化ストレスマーカーの測定:当院通院中の喘息患者(約30名)、健常ボランティア(約30名)から、喀痰を採取し、カルボニル化蛋白については、dinitrophenylhydrazine(DNP)処理した後、Western blot法により分子量別にカルボニル化蛋白を半定量化した。臨床的データ、喀痰中の炎症細胞、他の酸化ストレスマーカーとの比較検討を行った。喘息患者の痰中では53kDaと68kDaの蛋白に強いカルボニル化が認められた。・OVA誘発気管支喘息モデルにおける炎症と経時的酸化ストレス変化の評価C57/BL6マウスにOVA誘発気管支喘息モデルを確立し、気管支肺胞洗浄液中カルポニル化蛋白を定量し、気道炎症細胞出現との関連を評価した。53kDaカルボニル化蛋自は、OVA吸入6時間後に出現し12時間後には消失し、一方68kDaカルボニル化蛋白は24〜48時間後に出現し、好酸球の出現に関連する。道被覆液中に存在する蛋白は、発作時に選択的にカルボニル化を受けることを初めて明らかにした。・気管支喘息の3次元的気道画像解析の方法55歳以上の気管支喘息患者対象に、3D-CTを施行した。気管支拡張薬投与前後で同検査を施行し、画像上の変化と臨床症状、呼吸機能検査、喀痰中のバイオマーカー、との関連を分析した。
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