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2007 年度 実績報告書

肺組織幹細胞の増殖・分化制御による肺修復治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19390222
研究機関東北大学

研究代表者

久保 裕司  東北大学, 病院, 助教 (20332504)

研究分担者 加藤 英政  東北大学, 先進医工学研究機構, 准教授 (50292123)
キーワード呼吸器病学 / 組織幹細胞 / 分化 / 再生医療 / 細胞治療 / 遺伝子発現 / 培養細胞 / 老化
研究概要

マウスおよびヒト肺組織より,肺構成細胞を全てsingle cellとして分離する技術を確立した.この細胞群から,まず血球計マーカーであるCD45でnegative selectionをかけ,次に種々の幹細胞マーカー(CD34, Sca-1, c-kit)陽性細胞群を分離し培養した.その結果,それぞれの幹細胞マーカー発現の違いにより,その後の分化能力が異なることが明らかとなった.これらの細胞を様々な培養条件で培養し,マウスにおいては肺組織幹細胞のcell line化が完了した.このことにより,研究用にいつでも十分な量の幹細胞供給が出来るようになった.この細胞は,いわゆる間葉系幹細胞とは異なり,肺胞上皮細胞にcommitしている新規の細胞群である.現在,この細胞の分化実験を行っている.また,マウス肺傷害モデルを用いて,この細胞が細胞治療として使用可能か検討を進めている.以上のcell line樹立により,種々の肺疾患モデルおよびその肺組織修復過程における肺組織幹細胞の役割を解明する道が開かれたと考える.今後,この肺組織幹細胞が分化する過程における遺伝子群の変化を,研究分担者加藤の持つES細胞分化過程での遺伝子発現データベースと比較検討する予定である.また,ヒト肺由来の肺組織幹細胞cell line樹立を進めている.マウスと異なり,ヒト肺の場合はコロニーを形成する幹細胞を分離培養することは出来るが,cell line化は困難である.これが,種の違いか,または肺組織幹細胞の老化の影響か,検討を進めている.これらの結果より,細胞から見た呼吸器疾患の理解が深まるものと考える.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Pten controls lung morphogenesis, bronchioalveolar stem cells, and onset of lung adenocarcinomas in mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Yanagi S, et. al.
    • 雑誌名

      J Cin Invest 117

      ページ: 2929-2940

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The role of the receptor for advanced glycation end-products in lung fibrosis.2007

    • 著者名/発表者名
      He M, et. al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol-Lung Cell Mol Physiol 293

      ページ: L1427-L1436

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impairment of the swallowing reflex in exacerbations of COPD.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi S, et. al.
    • 雑誌名

      Thorax 62

      ページ: 1017

    • 査読あり
  • [学会発表] Endogenous lung stem cells increased after lung injury.2007

    • 著者名/発表者名
      Kubo H
    • 学会等名
      Thomas L. Petty Aspen Lung Conference, 50th Annual Meeting
    • 発表場所
      アスペン,コロラド,USA
    • 年月日
      2007-06-08
  • [図書] Annual Review呼吸器2008:肺損傷と修復のメカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      久保 裕司
    • 総ページ数
      277
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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