研究課題/領域番号 |
19390223
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貫和 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40129036)
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研究分担者 |
田澤 立之 東北大学, 病院, 助教 (70301041)
兼平 雅彦 東北大学, 加齢医学研究所, 研究員 (90374941)
田中 伸幸 東北大学, 宮城県立がんセンター, 部長 (60280872)
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キーワード | 肺線維症 / 加齢変化 / DNAメチル化 / STAM1遺伝子 / II型肺胞上皮細胞 |
研究概要 |
平成19年度は下記の(1)〜(2)までの、患者検体採取によるSTAM1 mRNA発現、また当該遺伝子領域のDNAmethylationを検討した。 (1)臨床検体の末梢血リンパ球STAM1遺伝子発現の検討: 東北大学医学倫理委員会の承諾を受けた家族性間質性肺炎(受付番号:2005-63)及びSTAM関連遺伝子の検索(受付番号:2005-222)をもとに、喫煙者特発性間質性肺炎患者で家族性肺線維症患者が見られるIPF患者(n=17)、健常対照(n=43)よりgenomic DNA、mRNAを抽出し、STAM1などの遺伝子発現に関して以下の結果をえた。 i)Real time PCRによる各遺伝子mRNA発現(内部標準としてHPRT1を用いた) ・STAM1/HPRT1:患者(n=14)1.43±2.3正常検体(n=34)7.23±11.0 ・Hrs/HPRT1:患者(n=13)0.43±0.46正常検体(n=36)0.59±0.77 ・STAM2/HPRT1:患者(n=13)4.57±5.4正常検体(n=38)0.96±1.93 ii)STAM1/HPRTが正常検体で異常高値である理由の検索。 ・STAM1 cDNA塩基配列検討:STAM1のcDNA蛋白コード領域(1622bp)の変化を認めず。 ・STAM1遺伝子転写開始直下のメチル化の:有無の検討: M-For 5'-GAAAAAAGGCGTATAGTTCGATTC-3' M-Rev 5'-CGTAAAACGAAATCCTTCAAACG-3' U-For 5'-GAGGAAAAAAGGTGTATAGTTTGATTT-3' U-Rev 5'-ATCTCCATAAAACAAAATCCTTCAAACA-3' 等をプライマーとして用い、95゜/10m、95゜/30s、62゜/30s、72゜/30sの条件で36cyclesで検討したが、IPF患者にはmethylationを見なかった。 以上の結果は、STAM1発現はIPF患者で低下している可能性がある。しかし、その低下機序に関して、今回の検討では塩基配列、遺伝子メチル化等、異常を検出しえなかった。さらにかかる遺伝子の発現修飾に関して詳細な検討が必要である。
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