平成20年度は、以下の検討を行った。 1.日本人と欧米人の前年に間質性肺炎・薬剤性肺障害の臨床像の違いを明らかにする研究引き続き間質性肺炎・薬剤性肺障害症例の集積と登録を行った。現在までに、血清KL-6値の測定は約600症例(日本人300症例、欧米人300症例)で終了した。現在、臨床情報を含めて解析を行い、間質性肺炎・薬剤性肺障害の人種的な差異を臨床像から解明しているところである。 2.MUCIのSNP解析研究 現在までに、約400症例(間質性肺炎200症例、健常人200症例)より、ゲノムDNAを抽出した。Real time定量PCRシステムを用いてムチンの遺伝子多型の検討を条件検討の済んだものから順次行っているところである。 3.間質性肺炎の網羅的発現解析による研究 マイクロアレイ解析を用いた日本人の間質性肺炎患者20症例の発現プロファイルの確認を行った。Real time PCRならびに組織免疫染色により、発現の確認を行い、間質性肺炎の新規バイオマーカーの候補を多数同定した。さらに、抗体の入手できるものに関しては、ELISA法を用いた血清診断システムの構築を行い、予備検討を行った。 最終年度には、海外の新たな共同研究先を加え、密に連絡を取りながら、間質性肺炎の人種的な差異を臨床像ならびに分子レベルから解明したいと考えている。さらにKL-6を超える新たな血清バイオマーカーを開発したいとも考えている。
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