研究課題/領域番号 |
19390225
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
桑野 和善 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40205266)
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研究分担者 |
前山 隆茂 九州大学, 大学病院, 助教 (40380456)
濱田 直樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00423567)
山本 浩充 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (30275094)
川島 嘉明 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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キーワード | 細気管支上皮細胞 / 肺損傷 / 肺線維症 / ナノテクノロジー / 幹細胞 / アポトーシス / 老化 |
研究概要 |
1.具体的内容 マウスにおけるブレオマイシン肺臓炎モデル、ナフタレンモデルを用いて、laser micro dissectionによって細気管支上皮細胞のRNAを選択的に抽出し、microarrayを解析中である。主に、細気管支上皮細胞のアポトーシス、老化、再生に関与する因子について検討している。併行してナノスフェアにアポトーシス関連因子であるBax, Bud siRNAを封入し、培養気道上皮細胞を用いて、in vitroにおけるアポトーシスに関する機能を確認できた。ナノスフェア封入Bax siRNAは、in vivoにおいてブレオマイシン肺臓炎モデルにおける効果を検討中である。 2.意義 第一に、肺の再生メカニズムを明らかにすることが肺上皮細胞のアポトーシス、老化、肺損傷・線維化という負のスパイラルを断ち切る根本的治療になりうる。アポトーシスや老化に関する因子が重要なターゲットとなる。第二に肺の発生過程における肺幹細胞の分化制御因子を標的に選択した点である。アポトーシスの制御とともに再生を促すことができれば有用な治療となりうる。第三に、遺伝子治療のベクターとしてウイルスを使用していない点である。ウイルスを用いた治療はリスクを伴うため、non-viral transferは望ましい手法である。 3.重要性 細気管支上皮の損傷と再生の疾患における重要性や、細気管支上皮細胞や、肺胞上皮細胞の再生に関わる分子が明らかになれば、これらを標的とした治療、たとえば遺伝子治療への応用、幹細胞による肺再生医療と組み合わせたcombination therapyなど様々な治療応用の可能性を広げることが期待される。
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