研究概要 |
腎機能が低下するほど夜間血圧が上昇する現象を更に発展させ、これは夜間になって血圧が日中平均の90%未満に低下するまでに要する時間が延長する現象であることを新たに発見した(Fukuda M,et al:Patients with renal dysfuncdon require a Ionger duration until blood pressure dips during the night.Hypertension52:1155-1160.2008)。また負荷型のnon-dipper型血圧日内リズムを呈する病態の理論的分類法がAHAジャーナルにEditorial Commentary (Kimura G:Kidney and circadian blood pressure rhythm.Hypertension51:827-828 2008)として掲載され、我々の考え方が世界的にも認められたと考えられる。 一方、renin-angiotensin(RA)系抑制薬に血圧日内リズムをnon-dipperからdipperに正常化する作用のあることを報告した(Fukuda M,et al:Angiotensin II type 1 receptor blocker,olmesartan,restores nocturnal blood pressure decline by enhancing daytime natriuresis.J Hypertension26:582-588 2008)。RA系抑制薬は尿細管におけるNa再吸収を抑制するため夜間降圧が可能となるものと考えれば論理的である。 夜間血圧が上昇すれば心血管事故に、逆に夜間降圧は心血管事故抑制に繋がると仮定すれぼ、心-腎連関を統一的に理解できる可能性が考えられる。心-腎連関には食塩感受性や食塩過剰摂取が関与することを、更に明確にさせたい。
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