研究概要 |
本研究では3年の間に,Aβ,tau,α-synucleinの抗oligomer抗体を確立し,ELISA測定系とトランスジェニックモデル動物を用いてneurotoxic oligomerの制御が可能であるかを明らかにする.平成19年度はAβ42,tau,α-synuclein各凝集体を分離・免疫し,抗oligomer抗体を作製した.Aβ,tau,α-synuclein oligomerを標準品としたELISAを作成し,Tg2576,TauTgP301Lの各トランスジェニックマウス,およびAD,DLB患者脳で評価を行った.正常ヒト,ADおよびDLB患者の脳脊髄液,血液における各種oligomerの存在と正常ヒトにおけるnatural course,ADとDLBにおける変化を検討し,発症以前の超早期から増加していることを確認し,逆にmonomerが減少していることを明らかにした.正常ヒト,AD,DLB患者脳,脳脊髄液,血液における各種oligomerの存在をさらに詳細に確かめるために,生体試料からアルブミン,免疫グロブリンやトランスフェリンなどのメジャー蛋白を東レ製プロテオミックスカラムで除去・濃縮した後,逆相HPLCカラムで分離し,これらの患者脳,脳脊髄液,血液におけるoligomerの存在,大きさ,修飾をMass spectormetoryによって検討中である.ラット打ち込みよう各遺伝子コンストラクトprion promoter βAPPΔNL/I,presenilin-1L286V,tau2N4RP301Lを作製し,更にtetracyclin-operon-responsive element(TRE)を組み込んだconstructを作成している.
|