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2008 年度 実績報告書

肝臓における糖脂質代謝関連遺伝子の発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19390250
研究機関神戸大学

研究代表者

小川 渉  神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40294219)

キーワード転写因子 / KLF15 / ユビキチン化 / 糖尿病 / 糖新生
研究概要

転写因子KLF15の糖新生系酵素遺伝子の発現制御における機能について、特に抗糖尿病薬メトホルミンの作用機構との関連について解析を行った。培養肝細胞をメトホルミン処理すると、KLF15の発現とともにPEPCKやHPDの遣伝子発現が低下した。メトホルミン処理した細胞にアデノウイルスを用いて外来性にKLF15を再発現させると、メトホルミンによるPEPCKやHPDの遺伝子発現抑制作用がほぼ完全に消失した。以上の結果より、メトホルミンの糖新生抑制作用はKLF15の発現抑制により生じることが示唆された。また、メトホルミンによるKLF15の発現抑制は遺伝子発現の抑制とともに、ユビキチン化を促しプロテアソーム依存性の蛋白分解を促進させることによっても生じることが明らかとなった。また、メトホルミンのKLF15蛋白の分解を促進作用はAMPK依存性であることも明らかとなった。個体レベルでメトホルミン作用へのKLF15の関与の詳細について検討するため、グルコースクランプ法によりメトホルミンによる肝糖産生抑制作用への影響を検討した。メトホルミンの投与により、肝臓におけるKLF15、糖新生系酵素、アミノ酸異化系酵素の発現は低下したが、アデノウイルスを用いて肝特異的にKLF15を再発現させることにより、これらの遺伝子発現の低下は回復した。さらに、外来性にKLF15を再発現させたマウスではメトホルミン投与による肝糖産生抑制作用は減弱し、個体レベルにおいてもKLF15はメトホルミンの糖産生抑制作用の発現に重要な役割を果たすことが示唆された。また、転写因子Stra13の機能についても解析を行いStra13はインスリンによるSREBP1cの発現誘導を通じて個体レベルの脂質代謝制御に重要な機能を果たすことも明らかとなった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The Kruppel-like lac tor KLF15 inhibits transcription of the adrenomedullin gene in adipocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Nagare T, 他
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Conmmun 379

      ページ: 98-103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The survival pathways phosphatidylinositol-3 kinase (PI3-K)/phosphoino sitide-dependent protein kinase 1 (PDK1)/Akt modulate liver regeneration through hepatocytes size rather than proliferation.2009

    • 著者名/発表者名
      Haga S, 他
    • 雑誌名

      Hepatology 4 9

      ページ: 204-214

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of the E3 ubiquitin ligase gene related to anergy in lymphocytes in glucose and lipid metabolism2009

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi S, 他
    • 雑誌名

      J Mol Endocrinol 42

      ページ: 161-169

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of hepatic STAT3 in the regulation of lipid metabolism2008

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita S, 他
    • 雑誌名

      Kobe J Med Sci 54

      ページ: E200-E208

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of de novo STAT3 target gene in liver regeneration2008

    • 著者名/発表者名
      Zhang HQ, 他
    • 雑誌名

      Hepatol Res 38

      ページ: 374-384

    • 査読あり
  • [学会発表] 転写因子Stral3のインスリンによる脂質代謝制御機構における役割2008

    • 著者名/発表者名
      衣斐亜希, 他
    • 学会等名
      第45回日本臨床分子医学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-07-25
  • [学会発表] 肝糖産生制御とメトホルミン作用におけるKLFF15の役割2008

    • 著者名/発表者名
      高嶋基嗣, 他
    • 学会等名
      第45回日本臨床分子医学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-07-24
  • [学会発表] Role of Kruppel-like factor 15 in hepatic glucose metabolism2008

    • 著者名/発表者名
      Ogawa W
    • 学会等名
      第51回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-23
  • [学会発表] メトホルミン作用によるKLF15の発現制御と肝糖代謝における意義2008

    • 著者名/発表者名
      高嶋基嗣, 他
    • 学会等名
      第51回 日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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