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2009 年度 実績報告書

Metastin/Kisspeptinの機能、特に生殖機能制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19390252
研究機関埼玉大学

研究代表者

井上 金治  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50091963)

研究分担者 足立 明人  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20351588)
冨田 幹夫  埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 専門員 (80142115)
キーワードメタスチン / 前腹側室周囲核(AVPV) / 視床下部弓状核(ARC) / エストロゲン / 時計遺伝子 / LHサージ / がん転移 / アポトーシス
研究概要

メタスチンの発現は視床下部弓状核(ARC)と前腹側室周囲核(AVPV)に分布し、それぞれの領域がGnRHのパルス状、及びサージ状の分泌への関与が示唆される。齧歯類のAVPV領域におけるメタスチンの発現にはエストロゲンによる正のフィードバックと体内時計による複合的な制御が明らかとなっているが、そのメカニズムの詳細は明らかとなっていなかった。そのため、メタスチンプロモーターを単離し、時計遺伝子の働きを検討した結果、ほとんどの時計遺伝子はプロモーター活性に影響を与えなかったが、唯一時計遺伝子Aのみがプロモーター活性を有することが明らかとなった。その効果はエストロゲンによる転写と相乗的に働いた。さらに、発情間期と発情前期の早朝と夕刻でメタスチン、及び時計遺伝子Aの発現を調べた結果、両者はともに発情前期の夕刻に強い発現を示し、両者に強い相関が見られた。これらの結果から、AVPV領域におけるメタスチンの発現の時刻制御は時計遺伝子Aによる制御が強く示唆された。一方、メタスチンのGnRH神経に対する作用部位はまだ明確になっていない。このため、メタスチンとGnRH神経を免疫細胞化学染色により詳細に検討した。この結果、正中隆起部においてメタスチン神経とGnRH神経が密に接触する部位が観察され、メタスチンが正中隆起部でGnRH神経に作用することが考えられた。
本研究ではメタスチンとがん転移に関しても研究を進めた。メタスチンは種々のがん細胞に作用して、シグナル伝達分子ERK1/2を活性化した。この作用はメタスチン受容体GPR54の発現と相関した。メタスチンはがん細胞の増殖やアポトーシスに影響をあたえなかったが、乳がん細胞や膵がん細胞の運動能を抑制した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Blockage of PrRP attenuates MPTP-induced toxicity in mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Binggui Sun, et al.
    • 雑誌名

      Peptides 30

      ページ: 1267-1275

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prolactin-Releasing Peptide regulates the cardiovascular system via corticotrophin-releasing hormone.2009

    • 著者名/発表者名
      T.Yamada, A.Mochiduki, Y.Sugimoto, Y.Suzuki, K.Itoi, K.Inoue
    • 雑誌名

      Journal of Neuroendocrinology 21

      ページ: 586-593

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cgr11 encodes a secretory protein involved in cell adhesion2009

    • 著者名/発表者名
      Sukumar Devnath, et al.
    • 雑誌名

      European Journal of Cell Biology 88

      ページ: 521-529

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum levels of nicotinamide N-methyltransferase in patients with lung cancer.2009

    • 著者名/発表者名
      Tomida, M., Mikami, I., Takeuchi, S., Nishimura, H., Akiyama, H.
    • 雑誌名

      J Cancer Res Clin Oncology 135

      ページ: 1223-1229

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stress response of prolactin-releasing peptide knockout mice as to glucocorticoid secretion.

    • 著者名/発表者名
      Mochiduki A, Takeda T, Kaga S, Inoue K
    • 雑誌名

      Journal of Neuroendocrinology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] メタスチンによる癌細胞のAkt活性と運動能の抑制2009

    • 著者名/発表者名
      冨田幹夫、井上金治
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市 パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] ラット脳内におけるmetastin神経の形態学的解析2009

    • 著者名/発表者名
      加賀重仁、徐枝芳、足立明人、井上金治
    • 学会等名
      日本下垂体研究会 第24回学術集会
    • 発表場所
      青森県三沢市 古牧温泉青森屋 柏葉ホール
    • 年月日
      2009-08-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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