研究課題
基盤研究(B)
メタスチン/キスペプチンの生理機能、特に生殖機能制御への解明を目指して研究がすすめられた。我々の免疫細胞化学的な研究からメタスチンは脳の前腹側室周囲核(AVPV)と弓状核(Arc)の神経細胞で産生され、AVPVではエストロゲンの正の制御、Arcでは負の制御を受けていることが明らかになっている。そして、脳においてはGnRH神経を介してLHのサージやパルス状の分泌を促し、排卵や性成熟にかかわると考えられている。本研究ではこのメタスチンの発現にかかわる時計遺伝子を明らかにすることに成功した。また、これらの時計遺伝子によるメタスチン異伝子の発現制御を解明した。一方、メタスチンによるGnRH神経の制御部位は明らかになっていなかったが、免疫細胞化学的手法により、視床下部の正中隆起部位においてメタスチンとGnRH神経が密に接することを明らかにし、メタスチンは正中隆起部においてGnRH神経を制御していることが示唆された。一方、メタスチンはがん転移にかかわる物質して発見されたが、その機構は充分には研究されていない。今回、メタスチンが種々のがん細胞に作用して、シグナル伝達分子ERK1/2を活性化することを明らかにした。この作用はメタスチン受容体GPR54の発現と相関する。また、メタスチンはがん細胞の増殖やアポトーシスに影響を与えなかったが乳がん細胞や膵がん細胞の運動能を抑制することを明らかにした。
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