研究課題
肥満は糖尿病、高脂血症、動脈硬化や高血圧等の原因となる病態である。肥満症の分子レベルでの病態解明は、肥満症のみならず肥満に起因する糖尿病や生活習慣病を総合的に治療する新しい治療法の開発につながるものと期待され、国内外で精力的に研究されている分野である。新規摂食調節分子の同定により、新たなエネルギー代謝調節機序が解明されるとともに、ヒトでの病態生理学的意義や新たな治療法の開発へと研究が展開していくことは、申請者らが研究を進めてきたグレリン研究の例でも明らかである。我々を含めた生理活性ペプチド探索グループは、ペプチドミクスを用いた分泌性ペプチドの網羅的探索と細胞内シグナルや生体内投与によるin vivo assay法にて、新規視床下部ペプチドNERP (NeuroEndocrine Regulatory Peptide, J Biol Chem,2007)の同定に成功した。自家作製NERP特異抗体による免疫組織化学にて、ヒトとラット脳におけるNERP産生ニューロンの詳細な脳内分布と投射経路を明らかにした。視床下部に存在する摂食関連ペプチドやそれらの受容体とNERPとの共存を、光顕および電顕レベルでの免疫組織解析法を用いて検討し、摂食調節系における新規生理活性ペプチドNERPの解剖学的位置付けを明確にした。NERP IgGの中枢投与は摂食を抑制した。NERP遺伝子発現は絶食で増加し、再摂食により、元の値に復した。ラットと各種遺伝子改変モデルマウスを用いたNERPの機能解析により、視床下部に作用して摂食調節に働く、新規ペプチドであることを実証した。(論文投稿中)
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