研究課題/領域番号 |
19390256
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
児島 将康 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20202062)
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研究分担者 |
佐藤 貴弘 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50368883)
井田 隆徳 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助教 (00381088)
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キーワード | グレリン / ノックアウトマウス / 自律神経 / 血圧 / 体温 / 消化管運動 |
研究概要 |
(1)心機能亢進、気管支拡張、肝グリコーゲン分解、脂肪分解などの、自律神経によって支配されている生体機能は多いが、グレリンKOマウスでは血圧・心拍調節、体温調節、消化管運動などに異常が見られる。睡眠・覚醒によって血圧・心拍や体温は変化するが、グレリンKOマウスではその変動の幅が狭く、また基礎的な値の変動が著しかった。(2)グレリンKOマウスにおける循環器系の機能解析を行ったところ、グレリンKOマウスでは血圧・心拍数の日内リズムが欠如し、また血圧・心拍数が不安定で変動が大きかった。(3)グレリンKOマウスにおける消化管運動の解析をおこなったところ、グレリン投与によって胃酸分泌や胃の蠕動運動が刺激されるが、グレリンKOマウスでは消化管運動の機能低下が見られることを申請者らは見いだした。(4)グレリンによる体温の恒常性維持機構を見つけた。動物の体温は行動性および自律性調節の2つの調節を受け、代謝やエネルギー消費量を一定に保つために厳密にコントロールされている。申請者らはグレリンKOマウスでは野生型マウスに比べて逆に体温が上昇していることを見いだした。またグレリンKOマウスでは体温の日内変動リズムが消失し、体温の基礎値が大きく変動し不安定になっていた。(5)グレリン投与による体温の変化を調べた。体温測定は簡便には実験動物の直腸温で計測した。それとともに、実験動物に測定によるストレスを与えないために、無線によって体温計測値を持続的に記録できるテレメーターシステムを用いて測定した。その結果、ある程度まではグレリンの投与量を増やすと、体温低下が投与量に比例して低下することがわかった。グレリンの投与量によって、マウスにおいては基礎体温から-7℃程度の低下まで観察した。またかなりのグレリン投与量においても、マウスには目立った有害事象は認められなかった。
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