研究分担者 |
岡崎 俊朗 鳥取大学, 医学部, 教授 (40233308)
田中 真生 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (10332719)
正木 康史 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (40238895)
福島 俊洋 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (60251998)
金 哲雄 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90345570)
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研究概要 |
1)SMS1-siRNAをJurkat T細胞に遺伝子導入し、スフィンゴミエリン(SM)欠質細胞株(SM-kd)を樹立し、SM-kd細胞では細胞膜SM発現が欠質していることをFACSおよび共焦点顕微鏡で確認した。 2)SM-kd細胞では、CD3架橋刺激による細胞増殖が著明に低下していた。これは、CD3/TCRの凝集形成が障害されているためであった。 3)SM-kd細胞のCD3架橋刺激によるLAT,ZAP70のチロシン燐酸化は著明に低下しており、LATとZAP70の会合も減少していた。さらに、PKC-θのリン酸化も障害されていた。 4)SM-kd細胞のCD3架橋刺激によるTCR,ZAP70,PKC-θのラフト分画への移行は、著明に低下していた。 以上より、細胞膜スフィンゴミエリンはT細胞活性化のおいて、レセプター凝集およびその後の細胞内シグナル伝達に深く関わっている事が明らかになった。 5)人の自己免疫疾患の代表である全身性エリテマトーデス患者末梢リンパ球上のリピッドラフト発現をCD4,CD45RO,ガングリオシドGM1の3重染色で検討した結果、SLE患者血では、疾患活動性に比例してリンパ球上のリピッドラフト発現が増加していた。この結果は、リピッドラフトが生体内でも細胞活性化に深く関わっていること、さらに、その異常発現が自己免疫疾患の病因病態に関与している可能性を示唆するものである。
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