研究課題
研究代表者は「多因子で精密に癌を特異化可能な増殖制御型アデノウイルス」(m-CRA)作製法を開発し、さらにその技術で、癌で特異的に高発現しているSurvivinに反応して癌のみを効果的に殺すSurvivin依存性m-CRA(Surv. m-CRA)を開発している。本研究では小児癌の革新的治療法開発を目標に、さらに精密に癌のみを特異的に(安全に)強力に治療する改良型のSurv. m-CRAを開発する研究を行ない、以下の成果を得た。1. 小児固形癌へのSurv. m-CRAの開発全ての癌を対象可能な初期型Surv. m-CRAを改良し、mutant E1Bの発現を他の腫瘍特異的分子のプロモーター(Osteocalcin)に置換した新型Surv. m-CRA(OC)を作製し、癌特異性と治療効果を検証した。in vitroならびにin vivo動物癌疾患モデルで、治療効果を減ずる事なく、癌(骨肉腫や前立腺癌)特異性(安全性)は向上した。さらに、ウイルス増殖メカニズムと治療戦略で、新しい発見をした。今後の小児固形癌、さらには癌全体のm-CRA治療法について、重要な成果である。2. 染色体異常を標的とする新たなm-CRAの開発「染色体異常」に関連するある2つの分子(計4つ)のプロモーターでE1Aを発現制御する、新規のm-CRA治療薬の開発の研究を行なった。昨年度までのin vitroの解析に加え、本年度にこの新規m-CRAの癌治療薬としての治療効果と有用性を検証する目的で、in vivoでの動物モデルでの治療実験も行なった。その結果、十分な癌特異性(安全性)と治療効果を持つこと、よって新規の小児固形癌を含む、癌に対する、画期的な治療薬となる可能性を持つという、重要な成果が得られた。
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