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2008 年度 実績報告書

色素異常症の病態解明により明らかにするメラニン生成調節機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19390294
研究機関名古屋大学

研究代表者

富田 靖  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70108512)

研究分担者 室 慶直  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80270990)
河野 通浩  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60319324)
キーワード眼皮膚白皮症 / 色素異常症 / 白斑 / メラニン / メラノサイト / ADAR1 / 遺伝性疾患
研究概要

遺伝性対側性色素異常症(DSH)は、手背、足背に粟粒大から米粒大の色素斑と白斑が混在し、顔には雀卵斑様の褐色斑が散在する常染色体優勢遺伝の疾患である。本症は二重鎖RNA特異的アデノシン脱アミノ酵素(ADAR1)遺伝子の変異により発症することを、2003年に我々は世界に先駆けて解明した。本研究においてこの遺伝子変異により引き起こされる病態を解明することにより、正常メラノサイトにおける未知のメラニン生成の調節機構を明らかにしようとするものである。この2年間の研究によって下記の成果が得られた。
(1) 遺伝性対側性色素異常症の病因となる10の新規ADAR1変異遺伝子を同定した。
(2) ADAR1遺伝子には150KDaと120KDaの2つの酵素型があり、患者の遺伝子変異部位の検討から本症の発症には150KDa型が関与していると判断された。
(3) 皮膚の色素異常しか知られていなかったにもかかわらず、G1007Rの変異遺伝子を持つDSH患者においては、脳の石灰化と神経症状を呈することが明らかになった。
(4) 電子顕微鏡と免疫組織染色による観察では、白斑部の色素細胞は減少し、しかも細胞内の膜器官の崩壊し、メラノソームはほとんど認めない。色素斑部の色素細胞内では小さく未熟なメラノソームがまばらに散在する所見を得た。
(5) ヒト培養メラノサイトへADAR1を抑制するsiRNAを導入しADAR1の発現を抑制した実験結果から、培養正常メラノサイトでのADAR1は、メラニン生成に関与する遺伝子の発現には直接影響を及ぼさないが、膜器官メラノソームの生成には関与しているようである。
(6) ヒトのDSHと同様にADAR1遺伝子変異をヘテロに保持したノックアウトマウス(ADAR1+/-)を作成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Four novel mutations of the ADAR1 gene in dyschromatosis symmetrica hereditaria2009

    • 著者名/発表者名
      I. Murata, 他
    • 雑誌名

      J Dermatol Sci 53

      ページ: 76-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dyschrdmatosis symtnetrica hereditaria associated with neurological disorders2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kondo, 他
    • 雑誌名

      J Dermatol 35

      ページ: 661-665

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Six novel mutations of the ADAR1 gene in patients with dyschromatosis symmetrica hereditaria : Histological observation and coniparison of genotypes and clinical phenotypes2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kondo, 他
    • 雑誌名

      J Dermatol 35

      ページ: 395-406

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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