研究課題/領域番号 |
19390304
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
尾崎 紀夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究所, 教授 (40281480)
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研究分担者 |
飯高 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 準教授 (70324366)
吉田 契造 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 講師 (60323151)
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60312112)
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キーワード | 統合失調症 / ゲノム / 認知機能 / 神経画像 / 中間表現型 |
研究概要 |
DARPP-32(dopamine-and cAMP-regulated phosphoprotein,32kDa)はドパミン作動性神経系やグルタミン酸作動性神経系など多岐にわたる細胞内情報伝達に重要な役割を果たしており、連鎖解析や死後脳解析の結果からDARPP-32遺伝子(PPPIRIB)の発現調節が様々な精神疾患(統合失調症、双極性障害など)の発症脆弱性に関与する可能性が示唆されている。そこで、統合失調症および双極性障害を対象として、PPPIRIB遺伝子多型と各疾患との関連解析を行った。その結果、PPPIRIB遺伝子多型と統合失調症との関連は認められなかった。一方、双極性障害に関してボンフェローニ検定(Bonferroni test)による統計値(p値)の補正後においてもrs12601930(遺伝子型p=0.000588)およびrs907094(対立遺伝子p=0.040)について有意な関連が認められた。関連が認められたSNPについて、独立したサンプル群を用いて検証したところ、いずれにおいても有意な関連は認められなかった。コピー数多型解析においてPPPIRIBには、遺伝子のコピー数の多型性が認められたことから、遺伝子のコピー数の多型性が遺伝子型の解析に影響を及ぼす可能性が推察される。 結論として、PPPIRIB遺伝子多型と各疾患との間には関連は認められないことが示唆された。一方で、PPPIRIB遺伝子領域で観察されたコピー数の多型性について、今後のさらなる解析が必要であると思われる。
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