研究課題
本研究計画の主要な目的は扁桃体でのシナプス伝達の長期増強(LTP)誘発でのNMDA受容体NR2Bサブユニットの役割を明らかにすることである。二光子顕微鏡にて細胞内へAlexa594,Furo-4注入し、LTP誘発による細胞の形態変化やカルシウムイメージングを試みた。対物レンズの性能の検討や技術的問題を含めて、数々の問題点が明らかになり、本年度も引き続きこのような問題点を解決しながら細胞の変化の観察を継続する予定である。また昨年度後半に発見されたpairingよるLTPがBAPTAをシナプス後神経細胞に注入によりLTPが抑制され、D-AP5の作用では抑制されないメカニズムを検討した。これにはシナプス前神経末端の刺激のみで誘発されるLTPの存在を仮定しないと成り立たず、この存在を検討した。カルシウムキレート剤であるBAPTAをシナプス後細胞のみに作用させてもその誘発は抑制できず、BAPTA-AMをシナプス前にも作用させると抑制できた。すなわち予想外にもシナプス前依存性LTPの発見に至った。この誘発メカニズムにNMDA受容体NR2Bサブユニットの関与も行う予定とした。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
The Journal of Neuroscience 26
ページ: 1887-1896