研究課題
基盤研究(B)
網羅的発現解析・differential display・全ゲノム関連解析から選択されたナルコレプシー(過眠症)関連遺伝子、および既知の候補遺伝子について、白血球中での発現定量比較を行い、疾患特異的変動を示すものを探索した。当初疾患特異的変化を示すと同定された遺伝子(MX2など)は、実際はHLA遺伝子型によって発現変化をきたすことが判明した。HLA遺伝子型がナルコレプシーと関連し疾患脆弱性を示す根拠の一つと考えられた。HLA遺伝子自体の発現変化を検討したが、疾患特異性は見られなかった。全ゲノム関連解析から同定されたCPT1B遺伝子はSNP遺伝子型によって大きく発現変化をするが、多変量解析で疾患特異性も示すことが明らかとなった。CPT1Bが触媒する反応産物であるアシルカルニチンを血中で定量したところ、疾患特異的に異常低値を示すことを発見し、さらにアシルカルニチン低値は診断のみと関連してSNP遺伝子型や年齢性別BMI眠気と関連しないことを見出した。今後新たな研究分野を拓く内容で、診断指標としての臨床応用を念頭において検討を継続中である。
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