研究課題
本研究の最終年度であり、以下の成果を挙げ研究をまとめた。●^<18>F-フッ素イオン濃縮チップの連続使用に関し、使用回数と回収効率の関係を求めた。同一チップを10回まで連続使用しても、効率は60%前後で変動するが顕著な低下は観測されなかった。●標識反応利用可能な^<18>F-フッ素イオンを全自動的に迅速に調製するシステムを完成させた。●これらの成果をApplied Radiation Isotopes誌に投稿し受理された。●この濃縮された^<18>F-フッ素イオンをマイクロリアクターでの標識反応に応用し、その反応性の高さを実証した。[^<18>F]FDG合成では、1分以内に90%以上の放射化学的収率で^<18>F-置換反応がほぼ完了した。引き続き室温での6分間のアルカリ加水分解を行い、ほぼ定量的に[^<18>F]FDGを得ることができた。フルオロアルキル剤である臭化フルオロメチル、フルオロメチルトシレート、フルオロエチルトシレート、すでにその有用性が求められている診断プローブであるFMISO、フルマゼニル、FLT、フルオロプロリン、フルオロ酢酸について、反応基質濃度、温度、時間および溶媒(アセトニトリル、DMSO、DMF)に対する依存性を調べた。反応はいずれもほぼ2分以内に完了し、マイクロリアクターの利点である迅速な反応がこれらの反応でも同様に観察された。反応収率は基質濃度と温度、そして特に反応溶媒に大きく依存し、DMFがDMSOに比べ高い収率を与えた。●HPLC精製を念頭に固相抽出法による前精製/濃縮を検討したが、満足のいく成果は得られなかった。従って、既存の技術ではマイクロスケールでのHPLC精製を実現できないと結論した。今後、マイクロリアクター処理に適する新たな濃縮法の開発が、^<18>p-標識プローブのマイクロスケール合成には不可欠であると考える。
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