研究課題
1. 本研究対象疾患の一つである悪性神経芽腫は小児疾患であるため、生活が自立していない年少児が本研究の内用療法施行対象に含まれることが多い。また、悪性褐色細胞腫などにおいても、骨転移性疼痛あるいは転移増大に伴う四肢麻痺などにより、生活の中で補助が必要である患者が多く含まれる。放射線管理上、^<131>I-MIBG投与後数日間はアイソトープ治療病室における入院が必須であるが、その様な患者ではその際に両親・配偶者などによる治療病室での介護補助が必要となる。しかし、治療室ベッドサイドに長時間滞在することは介護者被曝線量の増加を招き、許容線量(介護者被曝5mSv)を超えることが危惧された。そこで、直接介護が必要でない時間帯は治療病室の隣室に介護者を待機させ、治療室と隣室を双方向でモニターリングと会話が可能なシステムを構築した。3歳患児治療時に実際に母親・祖母に治療時看護に携わっていただいた結果、治療室退出に至るまでの累積被曝線量は各々0.108mSv、0.188mSvと許容線量を十分に下回った上で治療遂行が可能であることが実証された。2. 悪性神経芽腫のべ9例、悪性褐色細胞腫のべ5例の^<131>I-MIBG内用療法をトラブル無く施行可能であった。このうち、骨髄サポートを前提とした大投与量を2例で実行したが、^<131>I-MIBG内用療法実施中の有害事象は放射線宿酔を軽度認めたのみであった。3. 病巣部位の正確な同定と集積強度の確認には、機能画像であるシンチグラムと形態画像であるX線CT画像の融合が有用であることが前年度までの検討で明らかとなっていた。今年度治療を実施した全例においてSPECT/CT複合機で撮像することにより、その意義が実証された。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件)
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