研究概要 |
本課題研究“完全一体型ESR・MRI融合装置による機能イメージングの研究"では、以下に示す3本の研究プロジェクトで構成されている。平成19年度では、プロジェクト1「完全一体型ESR・MRI融合装置の開発」ハードウエアとソフトウエアの開発を進めた。平成20年度では、ESR・MRI融合装置を安定に稼働できるように改良を進める一方、プロジェクト2「マルチモダル・プローベの合成、フアントム実験、動物実験」について進めた。 ESR・MRI融合装置の稼働状況:本装置でESRイメージング画像、MRI画像をそれぞれ撮像し、両画像を重ね合わせることが出来るようになった。種々の濃度のナイトロオキシド溶液(0.5,1,1.5mM)、硫酸銅溶液、リン酸緩衝液とからなるファントムで合成画像を得ることが出来た。ESR、MRI両用のコンポジット共振器も開発をすすめている。ESR用共振器の物理的形状がMRI画像に影響を及ぼすので、共振周波数を下げる必要があり、750MHzまで低下させた。 マルチモダル・プローベの合成について:LiNc-BuOの環状構造を修飾して、ナイトロオキシドの結合を試みている。現在のところ、LiNc-BuOの孤立電子とナイトロオキシドの電子との間には干渉が無く、両スペクトルを観測できている。このプローベで、ファントム実験を行ったので、現在、動物実験を進めている。このプローべの位置はナイトロオキシドを通してMRIにより、酸素濃度情報はESRにより得ることが可能となっている。 今後は、動物の生理機能と関連させて画像解析を進めていくつもりである。
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