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2007 年度 実績報告書

放射線感受性の腫瘍内不均一性に関する分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19390324
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

長谷川 正俊  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50251111)

研究分担者 天野 達也  群馬大学, 重粒子線医学研究センター, 准教授 (10344061)
及川 将一  日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 研究員 (10391301)
キーワード放射線感受性 / 腫瘍内不均一性 / 分子生物学 / アポトーシス / p53 / 遺伝子発現
研究概要

腫瘍内の放射線感受性が不均一な原因として細胞周期や分化程度の相違、その他の影響が示唆されているが、個々の腫瘍組織内の細胞不均一性についての遺伝子レベルでの報告は乏しいので、放射線感受性の腫瘍内不均一性を解明することを目的として実験をおこなった。
3種のヒト由来腫瘍(上衣芽腫:p53野生型、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET):p53野生型、膠芽腫:p53変異型)をヌードマウス皮下に移植し、200kVのX線または炭素イオン線2Gyを照射して、4、6、24時間後に摘出した。組織の一部はフォルマリン固定後、パラフィン包埋切片を作製して、H.E.染色、GFAP染色、TUNEL染色をおこなってGFAP発現、アポトーシス誘発等を評価した。他の組織からはRNAを摘出してcDNAアレイ解析をおこない、階層型クラスタリング、Gene Ontology解析、Pathway解析等も実施した。また、組織の一部からは凍結切片も作製し、レーザーマイクロダイセクションによって、アポトーシスが高率な部位と低率な部位を区別して採取し、RNAを抽出した。
p53野生型の上衣芽腫、PNETでは、高率にアポトーシスが誘発され、4、6時間後に顕著な遺伝子発現を示した。これらのPathway解析ではアポトーシス、p53伝達経路、細胞周期等に関与する遺伝子の有意な発現が認められた。ただし、これまでの解析では、X線と炭素イオン線は同様の傾向を示し、顕著な差を認めていない。一方、p53変異型の膠芽腫では,アポトーシスの誘発、遺伝子発現はいずれもわずかであった。
平成19年度は、p53野生型腫瘍において、X線と炭素イオン線の照射によるアポトーシス、p53伝達経路、細胞周期に関係する遺伝子発現を明らかにした。今後は線量効果関係、レーザーマイクロダイセクションで摘出した部位別の検討、p53変異型腫瘍の詳細な検討を実施予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アポトーシスと増殖遅延を指標とした炭素イオン線のRBEの検討2007

    • 著者名/発表者名
      長谷川 正俊
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2014-01-14  

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