研究課題/領域番号 |
19390325
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
三橋 紀夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20008585)
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研究分担者 |
秋元 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10261851)
前林 勝也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60332350)
泉 佐知子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50292602)
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キーワード | 放射線感受性 / シグナル伝達 / 接着因子 / 分子イメージング / 共焦点顕微鏡 / tyrosine kinase |
研究概要 |
放射線感受性を左右する分子の探索を行い、画像化の候補分子としでの可能性を検討した。 1. E-cadherin (CAD)とDysadherin (DAD)の発現と放射線治療成績の相関 DADはCADの制御因子として働いており、頭頸部扁平上皮癌ではその発現が転移や治療効果に影響を及ぼしていることから、頭頸部癌48例でのCAD、DADの発現様式について検討した。CADとDADの発現gradeはCAD;grade 0(10%以下):24例、grade 1(10-50%):17例、grade 2(50%以上):7例、DAD;grade 0:2例、grade 1:22例、grade 2:24例であった。局所効果との相関ではDAD発現の高い症例で不良であった。再発形式の解析ではDADの発現強度やCADの発現強度とは関係が乏しく、両者の発現の差が重要であった。以上から、DADとCADの発現強度の比較が放射線感受線を評価する上で重要で、どちらか単独では放射線後の局所再発の候補分子とはなり得なかった。 2. tyrosine kinaseの放射線照射による活性化と局在の変化 EGFRの下流に位置するp42/p44 ERKが放射線照射によって活性化された際の局在の変化について検討したところ、照射前には細胞前には細胞質内に局在しているp42/p44 ERKは2 Gyの照射によって30分後にはリン酸化され核内に移行したが、阻害剤であるPD98059によって核内への移行が抑御された。HsP90シャペロンコンプレックス阻害剤であるRadicicolは、照射によってリン酸化され核内に移行するp42/p44 ERKとAktの核内移行を阻害した。また、PDK1はHsp90と直接結合することで、Radicicolとの結合が阻止され不活性化を免れていることが、免疫沈降法と共焦点顕微鏡を用いた検索で明らかとなった。このようにtyrosine kinaseも候補分子となることが明らかとなった。
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