研究概要 |
(a)Angiopoietin-2抗体およびTie2チロシンキナーゼ阻害剤の開発と前臨床試験 米国Amgen研究所、独国Max Planck研究所との共同開発により、Angiopoietin-2 fibrinogen-likeドメインに対する抗体を作製し、Tie2との結合を特異的に抑制するペプチド候補およびTie2阻害剤を同定した(Oliner, et. al. Cancer Cell 2004)。さらに、独国Max Planck研究所との共同開発により、Tie2阻害剤のスクリーニングした(Pyriochou, et. al. Br J Pharmacol 2007)。現在、マウス同所性肝癌モデルを確立し、in vivo効果を解析している。また、Tie2発現単球(Tie2-expressing monocyte; TEM)が癌組織で発現するAngiopoietin-2によってホーミングし、癌血管新生に重要な役割を持つことが報告されている(Palma, et. al. Nat Med 2003, Palma, et. al. Cancer Cell 2005, Venneri, et. al. Blood 2007)。肝癌臨床サンプルを用いて癌組織におけるTEMの存在と分布を解析し、Tie2発現単球が肝癌転移部に集簇することを見出し、その機序を解析中である。 (b)肝癌臨床検体の網羅的発現解析 肝癌臨床検体を用いて、cDNAマイクロアレイによる網羅的発現解析により、血管侵襲性再発を規定する遺伝子の同定を行っている。さらに、microRNAマイクロアレイ、CGHアレイによる解析結果との分子相関を調べ、数種類の分子標的候補を同定している。
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