研究課題
(a) Angiopoietin-2抗体およびTie2チロシンキナーゼ阻害剤の開発と前臨床試験米国Amgen研究所、独国Max Planck研究所との共同開発により、Angiopoietin-2とTie2の結合を特異的に抑制する抗体ペプチドおよびTie2阻害剤を開発し、マウス同所性肝癌モデルによってin vivo腫瘍抑制効果を解析した。さらにヒト肝癌組織をペルフルブタン造影超音波画像により解析し、癌血流動態とAngiopoietin-2発現の関連性を検出した。(b) 血管侵襲性再発の網羅的発現解析肝癌の血管新生に伴い血管侵襲能を獲得し再発を認めるが、その機序は不明である。本研究では肝癌のcDNA microarrayによる網羅的遺伝子発現解析を行なった結果、血管侵襲を認めない症例と肉眼的血管侵襲を示す症例は、Jonckheere-Terpstra法およびWilcoxon rank sum法による独立した検定により、2群のphenotype(L, H)に各々クラスタリングされた。一方、微小血管侵襲のみ認めた症例は特定のクラメターを形成せずL群とH群に分離し、H群は有意に再発率が高かった(p<0.05)。多変量解析では、血管浸潤の遺伝子プロファイル分類が臨床組織学的分類を凌駕し、有意な再発規定因子として同定された(p<0.05)。H群遺伝子ネットワーク解析により、Aurora kinase B経路の特異的活性化を検出した。肝癌切除症例において、Aurora kinase B発現は患者生存率と有意差を認め(p<0.0001)、全ゲノムCGH arrayによりgenetic instabilityと相関することが示された(p<0.01)。本研究により、Aurora kinase Bが肝癌に対する有力な分子標的であることが示され、現在特異的阻害剤のin vitro,in vivo効果を解析している。
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http://omics.tmd.ac.jp/icod/portal/top.do