研究概要 |
Alb-uPA免疫不全マウスは常時10匹を維持している。このマウスの雌雄を交配すると4分の1にAlb-uPAをホモにもつ子マウスができる。生後3週のホモマウスにDsRed2遺伝子で肝細胞を赤くマークしたマウス肝臓から初代肝細胞を調製し、Alb-uPAホモマウス脾臓に5×10^5個の肝細胞を移植した。4週後に肝臓を観察したところ、約半分が赤色にマークされた肝細胞に置換されていた。 化学発癌剤の濃度を決定するために、Alb-uPA免疫不全マウス腹腔にジエチルニトロサミン(DEN)を90mg/kg注射したところ、全マウスとも死んでしまった。野生型マウスに比し、Alb-uPA免疫不全マウスはDENに対する感受性が高いことが明らかになった。そこで、90mg/kg,45mg/kg,22mg/kg,11mg/kg,5mg/kgのDENを腹腔内注射して、様子を見たところ、11mg/kgでマウスが生きていることが判明した。 ヒト初代肝細胞への遺伝子導入法には、電気穿孔法、ウィルスベクター法が現実的である。まず、電気穿孔法で、act-LacZ遺伝子を初代肝細胞に遺伝子導入してみたところ、X-gal染色で染まるのは5%程度と効率がよくないことが判明した。そこで、ウィルスベクターによる遺伝子導入を検討した。ウィルスベクターとしては、レトロウィルスとレンチウィルスがある。LacZを含むレトロウィルスを試みたが、導入効率は低かった。そこで、レンチウィルスによる遺伝子導入が初代肝細胞には適当であると結論した。
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