研究概要 |
Alb-uPA免疫不全マウスは常時10匹を維持している。このマウスの雌雄を交配すると4分の1にAlb-uPAをホモにもつ子マウスができる。生後3週のAlb-uPAホモマウス脾臓に5×10^5個のヒト肝細胞を移植した。4週後に肝臓を観察したところ、マウス血清中のヒトアルブミン値が上昇し、約半分がヒト肝細胞に置換されていていることを示していた。 化学発癌剤として、Alb-uPA免疫不全マウス腹腔にジエチルニトロサミン(DEN)を45mg/kg注射し、1週後から500ppmのフェノバルビタール含有水を飲まし続けた。25週後、マウスの肝臓を観察すると、肉眼的肝臓腫瘍が観察された。組織学的には、肝細胞腫(hepatocellular adenoma)と判断された。 腫瘍部から、RNAを抽出し、定量的RT-PCR解析を行なった結果、c-Myc,FoxM1,c-Jun,c-Fos,Bmi1,Skp2 mRNAが増加していることが判明した。 これらの遺伝子が増加することが、本当に腫瘍形成に重要な役割を果たすかどうかを明らかにするため、各遺伝子を発現するレンチウィルスを作製した。ヒト肝細胞にシャーレ内でレンチウィルスを感染させ、それをホモAlb-uPA免疫不全マウスの脾臓に注射した。現在、25週後に肝臓を取り出し、その病理像の解析をする準備を進めている。
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