研究課題
DNAプロモータのメチル化をバイオマーカーとする画期的な診断法の確立により、そうK診断のみならず、腫瘍の性格診断、治療効果の判定等への応用をすすめ、安価で実用的で最も効果的な診断法としての意義を確立することを目的とした。現在研究期間として1年経過した所である。検出方法としてはmethylation specific PCR (MSP)を改良し、internal controlをもうけたMSSP (methylation specific single PCR)法を用いる方法で0.01%までの検出感度を上げることができ、(PCT特許出願済み)ていた。しかし、擬陽性が出現すると検査自体の特異度が落ちる心配があるため、これを改良したHiSA (high sensitivity assay)法を完成させ、特異度を上げることができた。これは国内特許を申請した。便中のDNAプロモータのマーカー部位も、様々な検討を行った。同じプロモータ状の複数のメチル化部位を同時に検討することにより、より、癌形成過程の生物学的側面を反映させることが可能となった。つまり、前癌状態としての腺腫、早期大腸癌、進行大腸癌のどの段階にあるか等質的診断も加味できる可能性がでてきた。また、大腸にできるポリープ、癌以外の病態においてどのような便中のメチル化の変化が生じるか等の詳細な検討も加わり、よりこの検査法の適正さが検討できた。一方、胃癌に対してもこの検査法で検出可能であることが証明されたことも大きな成果であった。さらに、膵癌等に関しての検討を始めている。
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