研究分担者 |
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30154149)
三高 俊広 札幌医科大学, 附属がん研究所, 教授 (50231618)
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260764)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
孫 誠一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60404612)
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研究概要 |
平成19年度提出の交付申請書に記載した「研究目的」、「研究実施計画書」に照らし合わせて以下に箇条書きにて概要を報告します。 (1)ラット肝細胞を対象としたトランスポーターについての研究 ラット小型肝細胞においてはMrp3,Bcrp,Mrp1,Mbr1bといった排泄系のトランスポーターの発現が高度であった。これらは前駆肝細胞において特徴的として捉えられた他、重篤な肝障害時の肝機能維持に必要な条件と想定された。また成熟化にともない、類洞側細胞膜上取り込み型有機アニオントランスポーターであるOatp1/2/4,毛細胆管細胞膜上に発現する排泄型有機アニオントランスポーターMrp2の発現量の上昇を認めた。一方Mrp3は低下していく傾向を示した。 (2)ヒト肝細胞における研究 手術検体より採取されたヒト肝組織片から小型肝細胞を分離し、無血清培地での培養系を確立することを目的とした。この目標はほぼ条件として確立できたと言える。培養肝細胞が幹細胞であることを幹細胞マーカーであるCD34,Thylなど用いて、肝細胞マーカーであるCK8,Albなどを用いて検討し、その特徴を確認しえた。このことにより、ヒト肝からの肝組織小型肝細胞を採取、蓄積する体制作りという次年度の研究につなぐことができた。 (3)初代培養ラット肝細胞およびマウス肝細胞株を対象としたclaudin-2におけるタイト結合蛋白発現に関する研究 タイト結合の重要な構成分子であるclaudinの中で毛細胆管に発現する分子はclaudin1,2,3である。中でもclaudin-2は肝小葉内での局在があることの確認を両種細胞に、そしてconcostastin Mがclaudin-2の発現を誘導することが確認され、細胞間隙投下制御向上に関与しうると考えられた。 (4)ヒト肝材料を用いたタイト結合関連蛋白の発現変化に関する研究 ヒト材料の蓄積を行なうことを開始しえた。タイト結合蛋白消長の有無に関する研究を開始することができており、次年度へと発展的につなぐことができた。
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