研究課題/領域番号 |
19390353
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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研究分担者 |
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30154149)
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260764)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
今村 将史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00404608)
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キーワード | 肝予備能評価 / 新規分子 / 肝不全 / 胆汁うっ滞 / 接着装置 / プロテアーゼインヒビター / 細胞移植 / アシアロシンチグラフィー |
研究概要 |
肝再生現象における有用な因子のひとつとしてプロテアーゼインヒビターが考えられており、その補充の意義が指摘されてきたことから、プロテアーゼインヒビターのひとつであるウリナスタチンに着目し、ウリナスタチンノックアウトマウスを作製し、肝再生現象を分析した。ノックアウトマウスにおいては部分肝切除後の肝再生が遅延・低下することを確認しえた。in vitro条件下でのウリナスタチンの添加により、細胞増殖能の回復をみたことより、通常ではautocrine的機構で肝再生への強力な関与が想定された。以上より、肝予備能に自家細胞によるウリナスタチンの産生能が肝予備機能評価の一因子となりうることを確認できた。 次にラット肝硬変モデルを既知の方法で作製し、その上でラット肝組織幹細胞移植の効果を検討した。また同モデルにおいて肝切除を試みた。前者の条件についてはいずれかの段階で幹肝細胞移植が有用であるかというpilot studyとして実施したが、重症肝硬変例であってもその決定に到らず、肝硬変に加えて何らかの負荷因子を関与させなくてはならないと考えられた。またヒト肝組織幹細胞の分離・培養・増殖・保存については再現性を確認した。肝不全モデルへの移植も試みたが、その増殖や分化を示唆させるには到らなかった。移植細胞の肝組織内存在は確認しえたが、組織置換には到らなかった。最後にアシアロシンチグラフィーを用いての新しい予後予知因子の検索に入ることができた。その有用性が伺われるまでの研究成果を得た。
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